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胸部の検査

胸部X線検査

胸部X線検査

どんな検査

一般診療や健康診断などで早期の治療につなげるためのスクリーニング検査として行われます。
胸部に背後からX線を照射し、とうかしたX線を映し出します。
基本は正面からの撮影ですが、病変部を立体的に把握するために、側面から撮影されることもあります。

X線のメカニズム

X線は人体を通り抜けますが、その通り具合は体内にある骨、脂肪、水分、空気などによって異なります。
その違いは、画像にすると濃淡の差になって現れます。
骨はX線を透過しやすいため白く写り、空気はX線が透過しにくいため黒く写ります。水分は白っぽく写ります。
肺は空気が詰まっているため黒く写り、骨、心臓、血管などは白く写ります。
肺に腫瘍や炎症などの病気の部分があると、黒く写る肺に淡い白い影が写ります。

異常がみられたら

胸部X線検査では、
肺がん
肺炎
などを調べる事ができます。

調べることのできる病気

□肺がん、肺炎、肺気腫、肺結核、気胸など
□心不全など
□骨粗鬆症など




呼吸機能検査
呼吸機能検査

検査値の判定

チェック 異常なし  %肺活量 80.0%以上 1秒率 70.0%以上
チェック 要精密検査 %肺活量 79.9%以下 1秒率 69.9%以下

どんな検査

息切れする・呼吸が苦しい・咳が出るなど、肺の病気が考えられる時に、肺の容積や空気を肺に出し入れする
換気機能の強さを測定し、呼吸機能に異常がないかを調べます。

%肺活量
年齢や身長から算出された予測肺活量に対する実際の肺活量

%肺活量が基準値より低い場合
肺が何らかの原因で拘束されて拡がることを制限されている状態(拘束性障害)
肺線維症 間質性肺炎 じん肺 etc

1秒率
深く息を吸って一気に吐き出した空気量に対して、最初の1秒間で吐き出した量の割合

1秒率が基準値より低い場合
気道が閉塞して空気が通りにくくなっている状態(閉塞性障害)
喘息 慢性気管支炎 肺気腫 慢性閉塞性肺疾患(COPD) etc

放置すると

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、タバコの煙などの有害物質を長期にわたって吸入することで生じた
肺の炎症性疾患です。 呼吸困難な症状がよくみられ、薬の服用と酸素吸入を行う必要があります。
症状が進行していくと、在宅酸素療法が必要になる場合があります。




胸部CT検査
胸部CT検査



どんな検査

CTとは、コンピューター断層撮影のことです。人体に多数の方向からX線を照射し、体内の情報をコンピューターで処理します。
体を数㎜間隔で輪切り状にしたような断面画像を撮影して、病気が疑われる部分の様子をみる検査です。


CT検査でわかる主な病気

病気画像の見え方
肺がん淡いすりガラスのような影が写ります。正常な組織とは濃淡の差で区別できます。
CT画像だけでは診断が難しいケースでは、造影剤をもちいる「造影CT」を行います。
肺炎浸潤影といわれる境界の不明確な陰影やすりガラスのような影など様々な影が広範囲に広がります。
肺結核空洞や気管支周囲に広がる陰影が写ります。
肺気腫肺胞が壊れて融合し、スポンジ状の空洞が見られたり、気管支が細くなっているのがわかります。


異常が見られたら

CT検査の画像で異常が見られたら、必要に応じてさらに検査をして病気の診断をします。
肺がんの場合、気管支内視鏡検査、肺の生体検査(病理検査)などが必要です。